インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

楽をしようとすると鍛えられない

NHK大阪放送局が制作した「かんさい元気印『まだ間に合う筋肉体操』」という番組を見つけました。昨年話題になっていた「みんなで筋肉体操」の中高年版とのことです。これ、関西地方だけでしか放映されていないのかなあ。

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www.nhk.or.jp

こちらの動画では、中高年でも無理なく「腕立て伏せ」をできるように、様々な負荷のかけ方(減らし方)を紹介しています。こういうふうに、それぞれの体力や身体の状況に応じて加減しながら身体を動かしたり鍛えたりするの、いいですね。

私も通っているトレニーングジムで、よく腕立て伏せやベンチプレスなどを行っています。そこでトレーナーさんによく指摘されるのが、「なるべく脇を締めて、腕を横に広げないように」という点。腕立て伏せやベンチプレスなどでどこを鍛えるかによっても違ってくるのですが、私は主に胸筋を鍛えたいと思っています。でも以前はかなり腕を横に広げて腕立て伏せをしていたんですね。これだと腕は鍛えられるけど胸にはあまり効いてこないということが分かりました。

やってみると分かりますけど、腕が横に(外に)広がらないようにして腕立て伏せをすると、かなりきついです。つまり、腕の力をなるべく援用しないようにして、胸筋だけで体重を上げようとするからそれだけ負荷がかかるんですね。逆に腕の力を援用しちゃうと、いつまでたっても胸筋は鍛えられない。こういうのはプロのトレーナーさんに指摘されないとなかなか気づきません。

腕立て伏せのみならずトレーニング全体に言えることですけど、「楽をしようとすると鍛えられない」ということに気づきました。自重を使うにしろ、器械のウェイトを使うにしろ、それぞれの運動にはそれぞれ鍛える筋肉の違いがあるわけですが、正しいフォームで正しく鍛えようとすれば例外なく「きつい(楽ではない)」のです。つまりなるべく目標とする筋肉に集中して負荷をかけ、ほかの筋肉の援用をなるべく受けないようにすることで効果的に鍛えられるということなんですね。

これ、能の仕舞のお稽古にも通じるものがあって、正しい(美しい)姿勢で立ったり摺り足したりすると、例外なく「きつい」のです。楽をしようとするとすごく弱く見えてしまって、内側に力が充実しているような、あの能特有の所作や型にならないのです。また上体を正しい姿勢に持って行けば行くほど、摺り足にならざるを得なくなる。摺り足で歩くのは「きつい」のですが、それはひとり足先だけで実現できる歩みではなく、上体、あるいは全身の正しいありようが摺り足を要請する……みたいな感じになるんですね。ああ、言語化するのが難しいです。

上掲の動画を拝見すると、宮大工の方の腕立て伏せはやや腕が横に広がっているのに対して、僧侶の方はかなり脇を締めてらっしゃるようです。こちらの方が胸筋を鍛えるには効果的かもしれません。腕立て伏せって、小中学校の頃から何度となくやって(やらされて)来ましたけど、こういう点に留意して行ったことはありませんでした。なかなか奥が深いです。