インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

フィンランド語 31 …第三不定詞

教科書は新しい章に入って「第三不定詞」というのを学びました。これが使えるようになると、例えば「どこどこで、なになにしている」とか「なになにするために、どこどこへ行く」とか、これまで以上に詳細で深いことが言えるようになるとのことです。

基本的には動詞の変化なのですが、ここでは以下の五つの語尾を学びました。

mAssA …… 第三不定詞の内格
mAstA …… 出格
mAAn …… 入格
mAllA …… 接格
mAttA …… 欠格
※例によって、大文字の「A」は単語によって「a」にも「ä」にもなり得ることを示します。

作り方は比較的簡単で、動詞の活用のうち三人称複数、つまり「〜vAt」の形にした後、その「vAt」を上記の五つの語尾に変えるだけです。例えば「syödä(食べる)」なら、まず三人称複数形は「syövät」。その「vät」のかわりにそれぞれの語尾をつけて……

syömässä
syömästä
syömään
syömällä
syömättä

……となるわけですね。それぞれを実際の文章に当てはめてみますが、格変化によってはいくつかの意味に分かれるようです。

mAssA

1) Minä olen ravintolassa syömässä.
 私はレストランで食事しています。

英語の be動詞にあたる「olen」が「(レストランに)いる」を表し、第三不定詞の内格が補足説明を行っています。これは進行形とも言えますね。

2) Minä käyn ravintolassa syömässä.
 私は食事をしにレストランを訪れます。

この場合は「〜mAssA しに〜する」という意味になり、例文では動詞が「käydä(訪れる)」なので「食事しに訪れる」と。

なるほど、今までより詳しいことが言えるようになりそうです。例えば……

Minä olen ravintolassa syömässä voileipää.
私はレストランでサンドイッチを食べています。

最後に来る目的語は「分格」を取ります。

mAstA

1) Minä tulen ravintolasta syömästä.
 私はレストランで食べてから来ます。

「〜してから〜する」と言えるわけです。

2) Minä lakkaan ravintolasta syömästä.
 私はレストランで食事するのをやめます。

この場合は「〜mAstA するのを〜する」で、例文では動詞が「lakata(やめる)」なので「食事するのをやめる」と。

mAAn

1) Minä menen ravintolaan syömään.
 私は食事をするためにレストランへ行きます。

2) Minä opin puhumaan suomea.
 私はフィンランド語を話すことを習得します(フィンランド語会話を学びます)。

3) Minä olen laiska kirjoittamaan.
 私は書くことに対して怠け者です(筆無精です)。

最後の例文は「A olla B + mAAn」で「A は mAAn することに対して B だ」という意味になり、なかなか深いことが言えるようになりました。ちなみに「laiska(怠け者の)」のかわりに「ahkera(勤勉な)」を使えば「筆まめだ」という意味になるそうです。ほかにも「arvata(推測する)」を使って……

Minä olen hyvä arvaamaan.
私は推測することが上手です(勘がいいです)。

……みたいなことが言えると。

mAllA

Minä opin suomea opiskelemalla ahkerasti.
私は真面目に勉強することでフィンランド語を学びます。

「〜することで」という「道具・手段」を表します。

mAttA

Minä olen kotona opiskelematta mitään.
私は何も勉強せずに家にいます。

「〜することなしに」という「欠いた状態」を表します。

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Minä olen ravintolassa syömässä lihapullia.