インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

しまじまの旅 たびたびの旅 59 ……海水の温泉と「鮪推し」

台湾に限らず、離島へ行ったら必ず灯台を探します。かつて遠洋航路の船乗りか灯台守になるのが夢だったからです。灯台の周辺はたいがい立入禁止になっていることが多いのですが、遠くから眺めているだけでもその佇まいに何かこう、胸が高鳴るのを感じます。

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こちらは綠島唯一の灯台、その名も「綠島灯台」。こういうところで灯台守をしたい……けれども、聞いた話によると現代の灯台はほとんどが自動制御になっていて、灯台守という職業そのものがなくなりつつあるそうです。

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綠島は海産物、とりわけ鮪(マグロ)が有名だそうで、街中の食堂やレストランでは「鮪推し」のメニューを数多く見かけました。こちらは朝ごはんのお店で食べた「鮪魚蛋餅(左)」と「綠島魚粽(右)」。どちらも肉のかわりに鮪を使っています。粽(ちまき)に入っている鮪はところどころ脂身もあったりして、豚バラの角煮にそっくりです。でも魚なので味はあっさり目。民宿のおやじさんのおすすめ通り、これは大当たりでした。

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夕飯では刺身も頼んでみました。一人だと分量が多すぎるかなと恐れていたんですが、以外に少なかった……。でもとても新鮮でした。ほかにも定番の「鹽水蝦」と「海草煎蛋」も。この煎蛋は「菜脯蛋」に似ていますが、菜脯のかわりに海草(生海苔みたいなの)が入っていて、これも美味しかったです。いずれも塩分控えめ。やっぱり台湾料理はどれもあっさり味でいいですね。

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日差しが弱くなる夕方まで待ってから、温泉に出かけました。綠島には世界でも珍しい海水が自然に温泉として湧いている場所があるのです。

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露天の温水プールと同じような感じで、水着と水泳帽着用です。このプールはかなりぬるくて物足りない感じでしたが、浜辺に降りた先に源泉があります。眺めていると、底からあぶくが立ち上っています。こちらはまさに温泉と呼ぶにふさわしい温度。すぐそばで波の音が響く素晴らしい環境でした。

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海水の温泉ですが、お湯から上がったあとも不思議にベタベタせず、海水浴とは全く違う感覚です。近くには90度ほどのお湯が湧き出ている場所もあり、みなさん卵や海老やトウモロコシなどを持参して茹でていました。

この温泉の名前は「朝日温泉」。もしやと思って調べてみたら、案の定日本統治時代に「旭温泉」と名づけられ、ここから日の出を眺めつつ温泉に入るのが人気だったよし。かつて、こんなところまで出張って来ていたのね、日本人。

そういえば、島を一周する道の途中にこんな記念碑がありました。

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たまたま見つけたんですけど、そばの説明文には「一九九三年二月二十八日永興旅客機事故による遭難者記念碑」とあります。台湾文化部の職員と日本の旅行会社の社員が観光資源開発のために蘭嶼へ向かう途中遭難した、と。

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綠島や、おとなりの蘭嶼は、日本人にとってはかなりマイナーな場所ですが、それでもいろいろと関わりがあるのだなと思いました。

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夕方に行った朝日温泉では日没は見られなかったのですが、民宿への帰路に素晴らしい夕焼けが待っていました。あまり人のいないこうした道を電動スクーターでかっ飛ばすのは爽快です。

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これはおまけ。民宿のかわいい送迎用ワゴンです。助手席側の窓が開かない、かなりオンボロな改造車。台湾の海辺の民宿や食堂って、こういうキュートでポップなテイストの所が多いです。というか海辺のサマーリゾートはどこもこうかな。何というか、島全体、街全体がこぞって「チープな海の家」状態なんです。気取ってなくて私は好きですが。