インタプリタかなくぎ流

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しまじまの旅 たびたびの旅 57 ……富岡漁港の魚市場と緑島フェリー

台東の沖にある綠島に渡るため、フェリーが発着する富岡漁港にやってきました。

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切符売り場は綠島や蘭嶼で休日を過ごす人たちでごった返していますが、民宿経由でフェリーのチケットを予約しておいたのですぐに発券してもらうことができました。

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乗船口に向かう途中、こんな看板が。“白色恐怖”は「白色テロ(反政府勢力に対する政治的弾圧)」のこと。そう、綠島はかつて政治犯を収容する監獄が置かれていた場所で、別名「監獄島」とも呼ばれていたのでした。今も一部の施設は刑務所として運営されています。

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確か「美麗島事件」に連座した施明徳氏らもかつてこの綠島監獄に収容されていたはず。李昂氏の小説『鴛鴦春膳』に収められた短編「牛肉麺」で出てくる施明徳氏のエピソード*1もここの監獄での出来事だったのかな。

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フェリーの出発時間まで余裕があったので、チケット売り場の隣にある魚市場に行ってみました。

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仕切られた台の上に、次々に水揚げされた魚が並べられていきます。その場で値段交渉をして買って行くみたい。巨大な魚から雑魚まで、そして熱帯特有のカラフルなものまで、色々な魚が並んでいます。

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なぜか太刀魚だけは別枠のコーナーが設けられていました。新鮮でお刺身にしたら美味しそう(熊本に住んでいたときはよく生の太刀魚を食べていました)。手前の太刀魚の巨大なこと!

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今回乗ったフェリーは「天王星」号です。

ところで、以前綠島に行ったことがあるという台湾の留学生から「センセ、あのフェリー、波が高いときは気をつけた方がいいですよ」と言われていました。

「どうして?」

「船酔いするんです。周りの乗客も船酔いして、吐く人が続出して。その光景と音と匂いでこちらも気持ち悪くなっちゃうんです」

「えええ……」

「だから綠島についたら、みんな『帰りは絶対飛行機に乗る!』って言うんですけど、小さな飛行機が一日に数便しか飛んでないから、チケットなんて取れないんです。で、帰りも同じ地獄を味わうという……」

「ほええ……」

予約した民宿の老闆からもラインのメッセージで注意事項が届き……

①船に乗る一時間前に酔い止めの薬をのむこと(できれば口服液がよい)。
②マスク、イヤホン(音楽を聞く)、サングラス、帽子はできるだけ身につけること。
③乗船したらなるべく後ろ寄りの真ん中に席を取り(一番揺れない場所)、できれば寝ること。
④船に乗って写真撮影のためデッキに出るなどせず、非常に酔いやすいのでスマホの画面も極力見ないこと。
⑤身体を横に向けると酔いにくいらしいが、それでも酔ってしまったらとにかく耐えること。

……と事細かなアドバイスが入っていました。

だもんで、戦々恐々の私はこれらを忠実に履行して、こんないでたちに。酔い止めは「トリブラ」の口服液を日本から持っていきました。

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しかし、この日は波も非常に穏やかで、ほとんど揺れず、周りで吐いている人は一人もいませんでした。私一人、かなり浮いた格好でまんじりともせず船の客席で過ごす形に。なんだか、かなりマヌケです。

*1:監獄に収容されている政治犯は、お金があれば牛肉麺を注文することもできた。施明徳氏の向かいに収容されていた囚人はお金がなく、いつも羨ましそうな目でこちらを見ていた。そんな彼を見かねてある日、牛肉麺をご馳走してあげようと注文を取りに来る看守に言おうと思っていたが、たまたまその日は用を足している最中で注文できなかった。明日また注文すればいいさと思っていたら、あくる日の早朝、くだんの囚人は銃殺刑に処されてしまった……というお話。