インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

フィンランド語 13 …日本語にはない概念「分格」

単数分格(ぶんかく)というのを習いました。先生によると、これは日本語にない概念で、フィンランド語学習の中でも一番わかりにくい(かもしれない)部分だそうです。でも外語学習の醍醐味は実はそういうところだと思います。面白そうです。

まず、非常に単純化した説明として、可算名詞の時は普通の形ですが、不可算名詞になると「分格」が使われるということでした。

Tämä kissa on valkoinen.
この猫は白いです。
Maito on valkoista.
牛乳は白いです。

猫は可算名詞で、牛乳は不可算名詞。で、「valkoista」が分格になった形です。さらに、ひとつの時は普通の形ですが、ふたつ以上になると「分格」が使われるそうです。

yksi kirja
一冊の本
kaksi kirjaa
二冊の本

この格変化のさせ方ですが、これまで出てきた内格(ssA)、接格(llA)、複数(t)、属格(n)とはまったく違って、語尾が A / tA / ttA と三つもあります(大文字の A は、a か ä のどちらかになることを表します)。また kpt による変化はないとのこと。

①「kirkko(教会)」を分格にしてみる。
最後が短母音の場合、語尾は A になります。単語に aou が含まれていれば a 、含まれていなければ ä です。
kirkko + a = kirkkoa で、例えば「kaksi kirkkoa(二つの教会)」。

②「maa(国)」を分格にしてみる。
最後が二重母音の場合、語尾は tA になります。これは二重母音 + a だと三重母音になるのでそれを防止するために t を入れると考えます。単語に aou が含まれていれば ta 、含まれていなければ tä です。
maa + ta = maata で、例えば「kaksi maata(二つの国)」。

③「pieni(小さな)」を分格にしてみる。
i で終わるフィンランド語の場合は、語幹が変化して「piene」。この時最後が le、ne、re、se、te で終わる場合、語尾は tA になり、さらに e が消えます。単語に aou が含まれていれば ta 、含まれていなければ tä です。
pieni + tä = pienitä ですが、e が消えて pientä 。

④「huone(部屋)」を分格にしてみる。
辞書形(元の形)の単語の最後が e で終わる場合、語幹をまったく操作することなく語尾に ttA をつけます。単語に aou が含まれていれば ta 、含まれていなければ tä です。
huone + tta = huonetta で、例えば「kaksi huonetta(二つの部屋)」。

⑤辞書形(元の形)の単語の最後が子音で終わる単語は、最後が -nen 、-uus、-yys の場合とそれ以外で作り方が分かれます。
まず -nen は se になり、-uus と -yys は最後の s が te になり、そのあとに tA がつきますが、この時 e が消えます。例えば「punainen(赤い)」は punaista、「uusi(新しい)」は uutta になります。う〜ん、ややこしい。
一方でそれ以外の場合は語幹をまったく操作することなく語尾に tA をつけます。例えば「kaunis(美しい)」は kaunista になります。

以上の5パターンが分格の作り方の基本だそうです。複雑すぎて簡単には飲み込めそうにありませんが、これまでに習った言葉にも実は「分格」が使われていることが分かりました。

例えば「おやすみなさい」を表す「Hyvää yötä」は、もともと「Hyvä(よい)」と「yö(夜)」の組み合わせです。これがそれぞれ分格になるとき、「hyvä」は①のパターンで「hyvää」に、「yö」は y がフィンランド語では母音の扱いなので二重母音のため②のパターンで「yötä」になるというわけです。

先生からは、分格はかなり重要かつ複雑なので、自習で分格を作ることは当面やらなくてよい、そのかわり基本の単語をしっかり覚えてくださいと指示がありました。単語を覚えないと、その変化形や省略形も全く理解できなくなるからだそうです。はい、Quizletでせっせと覚えることにいたします。

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Kaksi tätä pientä kirkkoa. (二つのこの小さな教会)…… kaksi 以下がみんな分格になっています。