インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

フィンランド語 11 …「〜の」を表す属格

主語や名詞や形容詞などが変化しまくるフィンランド語、これまで「〜の上に/で」の単数接格(llA)、「〜の中に/で」の単数内格(ssA)、複数(t)と学んできましたが、今度は「〜の」を表す単数属格というのを学びました。目印は「n」で、変化のさせ方の規則は同じです。

Mikä on Suomen pääkaupunki ?
Helsinki.
フィンランドの主要な都市(首都)は何ですか?
ヘルシンキです。

Suomiフィンランド)」が「Suomen」に変化して「フィンランドの」という単数属格になっています。①語尾が「ie子」でフィンランド語由来の言葉だから語幹の最後が「i→e」になり、そこに単数属格を表す「n」がつく……なるほど、変化のさせ方はこれまでと同じですね。最初にある疑問詞が「Missä(どこ)」ではなく「Mikä(何)」というのも面白いです。「Missä」を使うと、例えば地図上でヘルシンキの一を示してもらう、などというときの言い方になっちゃうのかな?

今度はこの地図を見ながら……

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Tanska jatkaa jälleen rajatarkastuksia - Ulkomaat - Uutiset - MTV.fi

Mikä on tämän pienen maan pääkaupunki ?
Kööpenhamina.
この小さな国の首都は何ですか?
コペンハーゲンです。

「maa(国)」が属格になったことで、「tämä(この)」や「pieni(小さな)」もぜんぶ属格になっています。「タマン・ピエネン・マーン」とここでも脚韻踏みまくりです。

さらに疑問詞や人称代名詞も属格に変化します。

Kenen nuo sanakirja ovat ?
Minun.
Mutta tuo pieni punainen sanakirja ei ole sinun ! Se on Sadun.
Niin. Se on totta. Se ei ole minun. Se on hänen.
これらの辞書は誰のですか?
私のです。
でもあの小さな赤い辞書はあなたのではありません! それはサトゥ(名前)のです。
そうです。それは本当です。それは私のではありません。それは彼女のです。

ちょっと生硬な例文ですけど、語学の基礎段階は生硬な例文もつべこべ言わず素直に受け入れるのが吉です。「kuka(誰)が「kenen(誰の)」になり、「minä(私)」が「minun(私の)」「sinä(あなた)」が「sinun(あなたの)」「hän(彼/彼女)」が「hänen(彼の/彼女の)」になっています。

さらには「Satu(サトゥ)」という女性の名前まで「Sadun(サトゥの)」と変化しています。日本語だと助詞「の」がついても名前自体は変わりませんが、フィンランド語は単語自体が助詞を含んだ形に変化していくんですね。なんとも新鮮です。

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Tämä on Kööpenhaminan pääkatu ?
Strøget.