インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

しまじまの旅 たびたびの旅 42 ……澎湖の「石滬」

台北松山空港から澎湖の馬公空港まで、かわいいイラストのプロペラ機で飛びました。近くの席に日本人の親子四人家族が座っていましたが、ここんちの子供がとても行儀が悪く、騒いだり椅子の背を蹴ったり物を投げたりやりたい放題。それでも若いご夫婦は旅のプランの検討に余念がなく、まったく注意しません。まわりの台湾人乗客も迷惑そう。ついに私が意を決してたしなめましたが、ご夫婦は「ふん」と言っただけで改善が見られませんでした。

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ひとさまの国にやってきたら「旅先の恥はかきすて」とばかりに羽目を外すのではなく、逆に日本にいる時の七掛けか八掛けくらいに行動を自制しましょうね。

……と、窓の外に澎湖諸島が見えてきた途端、おバカ一家(失礼)のことなど脳裏から吹っ飛んでしまうほどの絶景が目に飛び込んできました。“石滬”です。これは遠浅の海と潮の満ち引きを利用して、魚を袋小路状になった岩の壁の奥深くに誘い込んで捕るという、この地方独特の「しかけ」です。

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雙心石滬

上にある写真は七美島の「それ」で、ダブルのハートに見えることからカップルが記念撮影をすることで有名ですが、プロペラ機の窓から見えたのは、それより遙かに巨大で、しかもおびただしい数が集まっている光景。こんなに大規模な「施設」だとは知りませんでした。

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こちらの写真は、國立澎湖科技大學が「石滬」の詳細な調査を行った報告書にあるものです。
拓展台灣數位典藏 » Blog Archive » 國立澎湖科技大學「數位典藏-澎湖石滬形式與文化(Ⅲ)」數位化工作流程

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こちらは「石滬」の見学ツアーや海上アクティビティなどを提供している民宿によるもの。
北海水上活動、石滬體驗 | 野居渡假民宿

いずれもその巨大さが分かると思いますが、実際にはもっとおびただしい数の「石滬」が海の上に並んでいます。その風景はもちろん、人力でこれを作っちゃうという点も含めてあまりにすごいので、写真を撮るのを忘れました。

上記の國立澎湖科技大學によると、澎湖諸島周辺にはこれだけの「石滬」が点在しているそうです。

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國立澎湖科技大學「數位典藏−澎湖石滬形式與文化(�V)」數位化工作流程 - Google 検索(pdfファイルです)

七美島にはまだ行ったことがありません。次の旅ではぜひ行ってみたいと思います。あと上にある民宿の「石滬ツアー」も参加してみたいです。