インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

ヒュッゲ関連本あれこれ

昨年の夏に台湾を旅行した際、偶然手にした『hygge丹麥幸福學』という翻訳本からにわかに「ヒュッゲ」づき、この冬休みまでに「ヒュッゲ関連本」を立て続けに読みました。

www.books.com.tw

ちなみに「ヒュッゲ(hugge)」とはデンマーク語で「心地よい」とか「やすらぐ」などといった意味で、彼の地の人々にとって欠かすことのできない生活概念だそうですが、日本語でうまくあてはまる言葉がありません。

読んだのは以下の数冊です。

これは『hygge丹麥幸福學』の日本版。

む〜、我ながら「どうしちゃったの」と自分に突っ込まざるを得ないラインナップで、しかも正直に申し上げてどの本も同工異曲というか、私にとっては少々情緒的に過ぎて物足りない読後感でした。確かに美術館に出かけた時のような心地よい気持ちに浸ることはできるんですけど。

と、そんな中で最後に読んだこちらの本は、類書とはやや趣がちがって読み応えがありました。


幸せってなんだっけ? 世界一幸福な国での「ヒュッゲ」な1年

著者へのインタビューもありました。
www.newsweekjapan.jp

著者のヘレン・ラッセル氏は、夫のデンマーク転勤を機にロンドンからデンマークのビルン(レゴ社の本拠地ですね)に引越し、一年間を過ごします。その一年を軽妙な筆致で綴ったのがこの本で、かなりいろいろ脱線する語りっぷりのなかから、デンマーク的な価値観「ヒュッゲ」の様々な側面が浮かび上がってきます。

ヘレン・ラッセル氏が面白いのは、独特の文体で(時にはユーモアめかして、時には皮肉っぽく)デンマークの良い点も悪い点も描き出しているところでしょう。実際、数々の「ヒュッゲ本」を読んでいささか「デンマークかぶれ」になり、ああ、こういう国に移住できたらどんなにいいかしらんと思っていた私は、この本で正しく現実に再着陸できたような気がしました。それでも「ヒュッゲ」の価値観と呼応している(らしい)「ジャンテ・ロウ」はじめ、かの国の人々の暮らしぶりは、東京でいささか疲弊しちゃってる私には多くの示唆を与えてくれました。一度デンマークにも旅行してみたいです。

ジャンテ・ロウ - Wikipedia

余談ながら、以前から重宝しているこちらの料理本もおすすめ。これもまた「ヒュッゲ本」のひとつに加えることができるかもしれません。


イェンセン家のホームディナー

ところで、日本語にしにくいと言われる“hugge”ですが、個人的には作家・村上春樹氏による造語の「小確幸」が一番近いような気がしているのですが、どうでしょうね。