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インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

炭水化物が人類を滅ぼす

実に刺激的な一冊でした。

最初の100ページくらいは「糖質制限」のお話でダイエット本みたいな雰囲気ですが、その後そもそも食とは何か、家畜とは何か、草食動物と肉食動物との違いから、生命の進化、農耕の起源……と壮大な人類史を俯瞰する様相を呈してきます。

炭水化物が人類を滅ぼす 糖質制限からみた生命の科学 (光文社新書)

著者は『傷はぜったい消毒するな』で注目された医師・夏井睦氏。外傷を消毒殺菌してガーゼで覆うという当たり前すぎて誰も疑うことのなかった治療法に異議を唱えて、人間自身の自然治癒力に着目した「湿潤療法」を提唱した方です。いまではバンドエイドも、これを応用した製品を出しているくらい有名になりましたが、発表当初は非難囂々だったそう。

この本でも糖質=炭水化物ないしは穀物を主食にする人類史は転換の時を迎えているのではないかという大胆な仮説を展開していて、賛否両論があると思いますし、主食、つまりご飯やパンや麺類の一切を排するとなると、それだけでもう「ムリ」と思ってしまう人は多いと思います。

私も白いご飯はもちろん、パンもラーメンも大好きなので「とてもムリ」と思ってしまいます。でも以前、宮仕えをしていたときに午後からの膨満感と眠気にどうにも耐えられなくて、試験的にお昼を抜く、あるいはごくごく軽くバナナ一本とかソイジョイ(大豆のバーですね)一本などにしてみたことがあり、その時はご飯やパンや麺類をほとんど食べなかったのですが……。

あの時の爽快感といったらなかったですね。しかも数週間でかなり体重が落ちました。朝夕は普段とあまり変わらない食生活でしたし(朝食はグリーンスムージーだけということが多かったです)、バナナもソイジョイも糖分を含んでいるから、この本でいうところの「プチ糖質制限」程度なんですけど、それでも炭水化物を全く取らないとかなり身体が軽かったというのは鮮烈な記憶として残っています。

あの爽快感をもう一度味わいたいのと、長年悩まされてきたアトピーをいい加減なんとかできたらというのと、あとちょっぴりダイエットも期待して、「糖質セイゲニスト」をやってみようかなと思っています。

幸い今はフリーランスで、食事もほとんど自分で作っている気軽な身分なので、一度試しに「糖質制限」をしてみようかなあと思っています。こういう食事制限ってサラリーマンだと意外にやりにくいんですよね。いくら意志を持って行おうとしても、まわりからの(善意の)声が意志を鈍らせちゃうの。「あれ、ご飯食べないの?」とか「食べないと身体に悪いよ」とかですね。特にチャイニーズの皆さんはもう世界一食に命をかけてらっしゃる方々ですから、我々の業界ではこういう制限、なかなか理解してもらえないかもしれません。

試してみた結果はまたエントリさせたいと思います。