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インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

駐日大使の日本語

しごと ことば

  先日OJTへ行ってきた生徒に「どうだった?」と感想を聞くと、「程永華さんの日本語がハンパじゃなかった」との答えでした。程永華氏は、現任の中華人民共和国駐日本特命全権大使です。

  生徒いわく、「敬語などをキッチリ使いこなしているのもさることながら、言葉の抑揚や間の取り方などの感覚が日本語ネイティブとほとんど変わらない」。目のつけどころがなかなかいいですね。
  このOJT劉徳有氏の写真展のオープニングセレモニーだったんですけど、その劉徳有氏も毛沢東周恩来の通訳者をつとめたという方で、当然ながら日本語がすばらしく堪能です。でも、その劉氏より「程永華さんのほうが自然だった」と生徒は言っていました。
  程氏は日本への留学を皮切りに、日本での勤務・生活経験が何度もあるそうです。こういう人物を育てて大使として送り込んでくる中国の、外交に対する深慮遠謀といったら。私は、書記官レベルで程氏以上に日本語が流暢な方をひとり知っていますが、彼も特に帰国子女だったというような特別な環境で育ったわけではなく、日本語は純粋に中国で学んだものであるよし。
  前任の駐日大使だった崔天凱氏は英語が専門だったようですが、その前の王毅氏も、そのまた前の武大偉氏も、程氏ほどではないにしろ、メディアのインタビューなどに直接答えられるレベルで日本語をマスターしている方でした。


  こういう大使のみなさんも、正式な交渉などでは通訳官を使って会話するんですよね。それでも「こちらはあなた方の言語を分かっているんだよ」という無言のプレゼンスが相手に与える影響は大きいでしょうねえ。
  中国の日本大使館はどうなんでしょうね。通訳官は別にして、大使や公使や書記官で、こうしてメディアに登場できるレベルの中国語を操ることができる方はいるのかな。