インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

古びた感じ

  金原瑞人さんの『翻訳家じゃなくてカレー屋になるはずだった』を読んでいたら、若い人は「市松模様」という言葉を知らないだろうと書いてあって、「へえ」と思いました。「碁盤の目」も使わなくなった、とおっしゃっています。
  そうかですか、使いませんか。私などは日常的に使いますけどねえ。じゃあ若い人は何と言うんですかね、ああいう模様は。「チェック柄」?
  金原さんは、翻訳というものは時代の影響を色濃く受けるので、文章が日に日に古くなっていく、ネイティブが自分の母語で古典を読んでも古びた感じはしないが、非ネイティブが翻訳で古典を読むと、古い翻訳には抜きがたく違和感がつきまとう、というようなことをおっしゃっています。
  なるほど。でも魯迅や老舎などを訳した竹内好さんの訳文など、今読んでもあまり違和感を覚えません。わずかに感じる古くささも、かえって当時の雰囲気を醸し出す効果につながっていると思います。
  最近古典の再訳が相次いでいますが、魯迅や老舎が再訳されないのは……いや、単にマーケットの問題かもしれませんね。