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インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

Saumur Blanc“BREZE”

今日のワイン


  朝からフランス近代絵画の殿堂、オルセー美術館とオランジェリー美術館をハシゴしました。
  朝一番で行ったので観光客もそれほど多くなく、中学生の頃から画集で親しんできたあの絵この彫刻に出会えて幸せでした。イタリアに行った時も感じましたが、世界的な名画でも、けっこう無造作に、手を伸ばせば簡単に触れられる(触れませんが)ところに飾られているんですね。日本での企画展並みに警備が厳重なのは、ルーブル美術館の『モナリザ』くらいでした。
  そのあとエチエンヌ・マルセル駅近くにある中国書の専門店「Le Phenix(鳳凰書店)」に行って雑誌など物色。この書店はかなり豊富な品揃えで、フランスにおける中国研究の奥深さというか、凄みの一端を感じることができます。


  次にカルチェ・ラタンに移って、ソルボンヌ大学のお向かいにある大型書店などひやかしつつ、ファミレスみたいなムール貝専門店で鍋一杯のムール貝をむさぼるように食べ(安いけど、かなり美味)、一昨日も行った「ル・ボン・マルシェ」の食料品館でお土産を買い込み、さらにマドレーヌ広場へ移動して、有名な「マイユ」のマスタードもお土産に買いました。ここではビアサーバーならぬマスタードサーバーで、オリジナルの陶器に生マスタードを詰め、コルクの栓をしてくれるのです。これはかなりおいしそう。

  地下鉄に乗ってホテルまで帰還。パリの地下鉄って、構内放送はおろか、車内放送も一切ないんですね。点字ブロックもおざなりだし、通路は迷路のようでサインシステムもわかりにくいし、車内の路線図も進行方向と反対になっていたりするし、一般の乗客はもとより、身障者にはかなり冷たい作りだと思います……が、とても静かで、ときどき現れる大道芸人の超絶芸*1が心を和ませてくれるパリの地下鉄はなかなか魅力的です。
  夜はホテル近くの小さなレストランで夕飯を食べました。メニューの食材が所々分かるくらいで苦戦していたら、かなり怪しい片言の日本語を話す店員が手助けしてくれました。そういえば「ル・ボン・マルシェ」でも、レジのにいちゃんが「日本語を学んでます」と言ってましたな。カルチェ・ラタンの本屋には日本のマンガが本棚一つ二つなどというものでなく、一区画全部を占めるくらい大量においてありましたし、今日は街でずいぶん日本語に出会いました。


  料理は軽いものばかり選んだので、今日も白一本のみ。クロ・ルジャールのソーミュール・ブラン「ブレゼ」です。シュナン・ブラン種の優しい味わい。店員さんに話題を振ろうと「これ、シュナン・ブラン*2ですよね」と言ったら、私の発音が悪すぎたようで「違います。ソーミュール・ブラン*3です」と言われてしまいました。

*1:アコーディオン一本でバッハの『トッカータとフーガ』4パートを全部やってたり、中国系とおぼしきおじさんが心にしみる二胡と笛と歌を披露していたり、かなりレベルの高い芸術です。先日は車内でゲリラ的に人形劇をやっていましたが、これも写真機を描いた黒い幕の後ろで怪しげな人形が車内の風景を撮りまくるというシュールな筋立てで、思わず投げ銭をあげちゃいました。聞くところによると、地下鉄の構内にいるパフォーマーはみな審査に通った質の高い方ばかりだそうで、一方車内のほうはまさに「ゲリラ的」なんだそうです。「ゲリラ」の方は玉石混淆とか。

*2:ブドウの品種。

*3:ワインの生産地名=ワイン名