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インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

池袋永利

くらし

  社会人クラス合同による、数百人規模の中国語朗読大会が開かれました。
  私は偉そうに講評を述べる立場で参加しましたが、いや、みなさん忙しい仕事の合間を縫ってよく練習されてますねえ。
  以前担当していたクラスの生徒さんが「打ち上げ」に繰り出すというので、私もくっついていきました。場所は池袋の「永利」。在日中国人の間ではつとに有名な、リーズナブルかつ日本人向けではない(=中国大陸そのままの味)料理を出すお店です。
http://r.tabelog.com/tokyo/A1305/A130501/13005595/
  いや、確かに「中国大陸そのまま」です。
1.店の外観が限りなく怪しい。
  JR池袋駅北口から五分ほど歩いた場所にあるこのお店、入り口が半地下になっているのですが、かなり殺風景な外観です。料理名が外壁に大書してあることを除けば、およそレストランとは思えないたたずまい。でもこの「徹底的に実利重視」な感じがリアリストの国、中国ならではの風情です。
2.メニューの数が桁外れに多い。
  ラミネート加工された大判のメニューには、前菜から始まって野菜料理、魚料理、肉料理、麺・ご飯類、デザートなどなど、大量のラインナップがあふれかえっています。壁にも「オススメ料理」がでっかい模造紙に列挙されています。いずれも日本語の料理名や、ものによっては写真もついているので、日本人にもやさしいつくり。
3.料理の量が多い。
  値段は安いのですが、ひと皿の量が半端じゃありません。中華料理はとにかく大勢で、を再認識させてくれます。珍しい料理が多いので、調子に乗ってあれもこれも頼むと大変なことになります。我々もちょいと大変なことになりました。
4.料理の油の量がまさに中国大陸。
  ここが日本の中国料理店との大きな違いです。
  中国、特に北方の大衆的なレストランで例えば炒め物を頼むとします。日本のそれとの違いは、料理とお皿の間に油のプールができているかどうかです。大陸の中華料理はとんでもなくたくさん油を使う*1ので、料理から滴り落ちた油が皿に油のプールを作るのです。こんもり盛られた料理の周囲に、ドーナツ状に油が広がっている風景をご想像ください。
  唐辛子を使った炒め物なら赤いプール、醤油を使った炒め物なから黄色いプール、塩味の炒め物なら透明なプールができます。
  大陸や台湾で安手の弁当を買うと、大盛りご飯の上におかずをどぉんと乗っけてくれます。私はけっこう好きで食べていましたが、日本から来たクライアントはたいがいが敬遠していました。おかずから滴った油が白いご飯に染みこんで、ご飯が油まみれになるからです。脂っこい料理なのに、ご飯まで油にまみれていたのでは、日本人としては逃げ場所がありません。
  感想。
  確かに本場ふうで私にはどこか懐かしい味でしたが、やはり私は日本人向けにアレンジされた中華料理のほうが好きです。軟弱者なんです。
  逆に、以前同僚の中国人講師を私の好きな中華料理店に招いたことがあるのですが、彼女は「おいしいけど、正直、いまひとつ」との感想でした。そうでしょうねえ。我々日本人が、中国で日本料理を食べるようなものでしょうから。

*1:炒める素材を先に油通し(湯通しじゃありません)するからだと思われます。風味や歯ざわりは抜群によくなります。家庭ではちょいと困難。