インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

ライトウイング・リターンズ

  胡錦涛氏の来日にともなって、またまた右寄りな方々が職場へお越しになった。
  至近距離で主張をがなりたてるものだから、さすがに仕事に影響が……出るかと思ったら、意外にそうでもない。なんかもう、慣れちゃったというか。テストの採点をばんばかこなす。
  今日お越しになったのは「新手」で、これまでの録音をエンドレスで流すような志の低さとは好対照。肉声で、時々言いよどみ、うわずりながらも、中国語で思いのたけを吐き出している。発音から察するに、中年から壮年の華僑ではないかと思う。
  発音が不正確な上に、拡声器の音が割れているものだからクリアには聞き取れないが、人民は苦しんでおる、とか、現体制は害悪をもたらしている、とか、そのために私も辛酸を嘗めてきた、とか、だからして現体制打倒、とか、ううむ、妙に共感を覚えちゃうんですけど的内容。その話しぶりからすると、あまり幸せではない人生を送ってこられた方のようだ。
  興味がわいたので、外に出て街宣車を見物してきた。いつもの黒塗りとは違って、青と白のツートンカラー。車体に書かれているスローガンはまんま「右寄り」だが、警察の制止もなんのそのでエネルギッシュにシャウトするその姿に、何だかこう、ツッパリの生徒に自らの人生を重ねて眼を細める金八先生みたいな気分になってる自分がいたりして。
  ……いや、意気に感じてる場合じゃないが。