インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

「ファンミ」見学

  クライアントからのお呼ばれで、とある台湾アイドルグループのファンミーティングに出かけてきた。通訳スクールの先輩が通訳を担当するとのことで、仕事の現場を見るのは勉強になるかなとスクールの生徒さんも誘う。自主的にメモ取りをするかなとこっそり観察していたが、やっている人もいればやってない人もいた。
  手作り感たっぷりの、アットホームな「ファンミ」でなかなか楽しかった。狂言回しにお笑い芸人が加わって、個人的にはこちらの方がツボにはまったりして。

  アイドルに、お笑い芸人に、司会者。それぞれがてんでバラバラにしゃべるので、通訳者はやりにくそうだった。しかもアイドルにウィスパリングするときも日本語に訳出するときも、常にマイクを口に当てているものだから、聞いている方がかなり混乱する。
  また、二人いるアイドルのそれぞれに通訳者がついているのだが、そのうちの一人がもう一人の訳出もどんどん奪ってしまうので、奪われた方の通訳者はやりにくそう。もちろん、聞いている観客も混乱する。失礼ながら、こういうイベント系の通訳はあまり慣れてらっしゃらないようだ。見ていてかなりハラハラした。
  一番混乱したのは、会場からの質問タイム。北京語で質問する人が続出し、アイドルとどんどん会話を進めてしまう。北京語を解さない司会者や会場にいる大半の日本人観客が「おいてけぼり」状態に。欧米の俳優が日本で記者会見などを開く際にもよくあるパターンだ。でもって、そういうふうに北京語や英語を使いたがる人に限って、質問の主旨がよく分からなかったり、言葉がひどく拙かったりする。
  いつも思うのだけれど、こういう場合にはたとえ自分が北京語や英語を話せても、日本語で質問するのがスマートではないかなあ。

追記

  北京語で質問した人たちは、いずれも北京語(台湾国語)ネイティブのようだった。
  もう一つ言わせてもらっていいですか? 日本でのイベントなんだから、日本人に質問させてあげようという気持ちはお持ち合わせじゃ……ない? そうですか。
  これも、いつも思うのだけれど、ひとさまのテリトリーでは、自己表現もほどほどにすべきじゃないかなあと。海外に出るや、やたらと傍若無人になる人がいるが、よその土地では行動も六掛け程度に抑えるというのが良識ある大人の態度というものだ。こないだ長野で行われた聖火リレーで、朝っぱらから騒々しいときの声をあげ、巨大な赤旗を打ち振っていたあの人たちも同列。