インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

火宅か修羅か

  題名からも分かるように、壇一雄の『火宅の人』に想を得たらしい平田オリザ作の青年団公演。例によってせりふのリアリティを極力追求した、抑えに抑えた演技がじりじりと一時間半続く。音響は一切なし。照明の変化も一切なし。ある旅館に集う、それぞれに訳ありらしい人々の過去と現在が、会話によって徐々に明らかになっていく。
  昔は大好きだったのだけれど、最近は演劇のあの「芝居芝居したせりふ回し」を体が受け付けなくなっていて、NHKの『芸術劇場』などを見ていても、たいていすぐにチャンネルを変えてしまう。というわけで、いま最も体にしっくりくるのは平田オリザが作るような芝居かなあ。
  見終わって劇場の外に出ると、さっきまで舞台に立っていた俳優の一人がジャンパーにサンダル姿で客を送り出していた。あれは興ざめだからやめた方がいいと思う。
http://www.komaba-agora.com/line_up/2007_12/kataku.html