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インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

北京三十五年――中国革命の中の日本人技師

ほん

  「解放」前の1944年から文革後まで、北京に住み続けたある日本人技師の回想記。ネット上の古本屋でようやく手に入れて読んだ。
  国民党時代の北京から、共産党入城、三反・五反運動、反右派闘争、大躍進、そして文革と、さまざまな近現代史の本で読んできたことが、北京に暮らす市民、それも日本人の視点で描かれていてすごく興味深い。
  文革時にはご自身も五年間ほど投獄されるのだが、いつも泰然自若としていて、常に楽観的かつ冷静に自分の立場を見つめている様子は、さすが戦中戦後の中国で生き抜いてきた方ならでは。
  文中、人間を評する言葉として「肝の据わった」とか「腹の大きい」という言葉が何度か出てくる。ああ、そういう人がかの国には確かにいるなあ、そういう人がいるから救われるんだよなあ、と思う。