インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

アトピー最終決戦?

  若い頃から軽いアトピー性皮膚炎に悩まされている。

  原因は米や小麦、大豆などの穀物だということで、かなり厳格な食餌療法を試みていた時期もあったのだが、なにせご飯もパンも麺類も、醤油も味噌も、果てはコーヒーまでだめなのだから人生がつまらなくなることはなはだしい。医師からは「幸いあんたの症状は軽いから、多少の痒みとつきあいながら生きてけば?」と言われ、私もそのほうがずっと幸せだなと思って食餌療法はやめた。
  アトピー性皮膚炎は、その原因やメカニズムについてはまだよく分かっていないことが多いのだそうだ。だもんで、医師はいろんなことを言い、患者もいろんなことを試す。環境汚染や化学物質がからんでいるとする学説に傾倒すると自然食やエコライフやロハスに走り、いやいや実は精神的な病なのだとする学説に心酔するとカウンセリングや宗教に走ったりする。
  私は(主に経済的な理由から)いずれにも走れず、単に本を片っ端から読むだけの「アトピー通」になってしまったが、これまで読んだ本の中でいちばん感銘を受けたのはこれ。
アトピーはかいて治そう―薬もお金も時間もかけない
アトピーはかいて治そう―薬もお金も時間もかけない
  アトピーの治療を受けると、必ず「(患部を)かかないように」と言われる。が、それができれば苦労しない。無意識のうちにかいてしまうものなのだ。人間が自分の意志の力だけでアトピーの患部をかかずに我慢することは不可能――んなエラソーに言うほどのことでもないが、アトピー歴二十五年の私はそう思う。
  上記の本がすごいのは、「アトピーなんてまぼろしで、アレは単なる皮膚の傷」と言い切ったところ。

かゆい→かく→かき壊す(皮膚に傷がつく)→傷が治りはじめる→かゆい→かく→かき壊す……

  ……という悪循環がエンドレスで続いている状態、それがアトピー性皮膚炎だというのだ。
  だからアトピー唯一の治療法は「かかないこと」なのだが、この本は「かいてもいい」と言う。ただし「かき壊さない程度にかいてもいい」と。
  これは自分にも大いに経験があるのだが、「かかないこと」と言われると最初は努力してかかないようにする。だがそれは非常に不快なので、いつか我慢しきれなくなるときが訪れる。そのときは爆発的にかいてしまう。そして悪循環をもっと深めてしまう。この本の趣旨は、その爆発的にかくことの危険性に注目して、ストレスを発散できる程度にかき、しかも「かき壊す」程度まで行かないことで悪循環の連鎖を断ち切ろうというものだ。
  ただし、私の経験では「かき壊さない程度にかく」ことを実現させるためには、かゆみを抑えるための補助が必要だ。つまり乾燥を抑え、潤いを与え、皮膚の炎症を軽減させる薬品。これまでにいろいろなローションや乳液を使ってきたけれども、決定的に悪循環の連鎖を断ち切ってくれるものがなかった。
  ところが、この秋発売になったメンソレータムの「APソフト」、これが素晴らしい。
http://www.rohto.co.jp/ap/index.htm
  薬剤は人によって薬効が異なるから安易にオススメはできないし、またこの種の薬は一時的に症状が激減するものの、そのあとのリバウンドがこわいからなおさら慎重にならざるをえないのだが、私の場合は今のところ連鎖を断ち切ってくれている。
  体内に吸収されると低活性化するとはいえステロイドが含まれているので、皮膚の一部に使って試しているのだが、確かにかかなくなった。かかないから皮膚の傷(=アトピー性皮膚炎)が自然に治癒して、かつてないほど「つるっつる」だ。「見て! 私を見て!」という感じ。むふふふふ。引き続き注意深く試していくつもり。