インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

小肥羊(しゃおふぇいやん)

  来年の四月から北京へ赴任することが決まった友人を祝って、気の早すぎる壮行会。

  行く夏を惜しんで何となく“火鍋”を食べたい気分だったので、上海出身の中国人に「どこかいいお店ない?」と教えを請うも、「僕は“火鍋”など食べませんから」とつれない。食の豊富さとその味わいに絶対の自信を持っているらしい上海人*1にとって、何でもかんでも同じ味のスープにぶち込んでむさぼり食う“火鍋”など、北方ないしは内陸の野蛮な食べ物だという考えがあるようで。
  わはは、そうですか。上海料理は確かにおいしいと思うけれど、“肥牛火鍋”とか“涮羊肉”なんかも捨てがたいじゃないの。
  仕方がないから、こないだ渋谷で見かけた“小肥羊”へ行ってみることにした。ウェブサイトを検索すると、赤坂に二号店ができたらしい。こっちの方が落ち着いて食べられるかなと赤坂店を予約。
  この店を日本に出した小肥羊グループは、大陸では“肯紱基(ケンタッキー・フライドチキン)”に次ぐ規模の一大外食チェーンなのだそうだ。開店間もないからか、店内はとてもきれいで落ち着いていて、しかも休日の赤坂ということもあってあまりごった返している感じもなく、とてもよかった。
  鍋は“麻辣スープ”と“白湯スープ”の二つが別々に味わえる“鴛鴦火鍋”にして、羊肉をはじめ、烏賊団子やら、粉絲やら、湯葉やら*2凍豆腐やら、それに野菜やキノコ類をど〜んとアラカルトで頼む。この店はスープに味がしっかりついていて、つけだれを使わないのが特徴なんだそうだ。香辛料がかなり効いていておいしい。“麻辣スープ”のほうは“小辣”にしたのだが、それでもかなり刺激的だった。なんかこう、「デトックス」とか「新陳代謝」とかいう言葉が浮かびそうな。「羊の串焼き」も頼んだが、こりゃまたえらく上品な“羊肉串”だ。
  生ビール半額セール中だったからか、六人でかなり食べたのにお会計は普通の居酒屋程度だった。高級感があるわりには結構安い。
  コンロがテーブルと一体化したIHクッキングヒーターだったのも好印象。鍋の火加減調節がすごくやりやすい。鍋奉行(私じゃありません)も大喜びだ。

*1:もっとも、どの地方の中国人であっても同様の自信を示すけれど。

*2:よろしければ中国湯葉をお持ちしますが、と言われた。あの細長く搾った形状の、歯ごたえのあるやつね。