インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

好人活不長。

  昼休みに職場で弁当を食べて、何気なく傍らに積んである『北京晩報』*1を手に取ってめくっていたら、池小寧さんを追悼する会の記事が出ていた。
  池さんは映画やドラマのカメラマンとして『秋菊打官司』や『雍正王朝』など多くの作品に関わった人。さまざまな作品があるけれど、埃っぽく乾燥した中国の大地を撮らせたら、彼の右に出る者はいない。また日本とも縁が深く、お連れ合いは日本人だ。
  私が駆け出しの編集者をしていた頃、二三度仕事で池さんとご一緒したことがある。私がインタビューをして記事を書き、池さんがスチール写真の担当だった。
  そのとき私が中国語を学んでいると知った池さんは、ある時北京から辞書を持って帰ってきてくれた。成田空港から直接編集部を訪ねてきて、リュックの半分は占めてしまいそうな分厚い日中大辞典を「はい、おみやげ」と渡してくれたのだ。心底びっくりした。
  記事を読み進むと、追悼会に参加した一人が生前の池さんをこう評していた。

说说小宁的人品吧,太罕见了。永远在工作,不计酬劳,只要朋友有所求就去帮忙,从来不谈钱,给多少都行。

  本当にその通りの人だったと思う。
  まだ五十歳そこそこだったはず。晩年はガンとたたかっていたそうだ。池さんの遺骨は日本に埋葬されるという。池さん、いろいろとお世話になりました。ありがとうございました。

*1:隣の先生の机にどーんと積まれている。