インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

“那個”と“是嗎”

  うちの学校には中国人留学生もいて、ときどき日本人学生との交流授業がある。先日も小さなグループに分かれて、中国語でお互いに自己紹介や身近な話題で会話しようということになったのだが──。

  なかなか中国語が出てこず、ついつい日本語で「あの〜、その〜」とやっている日本人学生がいたので、「どうせならそれも“那個(nei4 ge)”と中国語で言うといいね」とアドバイスしたら、そばにいた中国人留学生が「『那個』は言わないほうがいいです」と言う。
  確かに本来“那個(na4 ge)”という発音を“nei4 ge”にくずすのは粗野な感じがするかもしれないし、“那個”や“是嗎(shi4 ma)*1”を多用しだすと止まらなくなる人も多い*2から、よくないかもねと思ったら、そういうことではないらしい。
  「黒人差別になります」
  「は?」
  「“nigger”と聞こえるでしょ」
  へえ、そんな「自主規制」があったとは、寡聞にして知らなかった。でもここには黒人もいないし、もとよりそんなつもりで言ってないんだけど、それでもだめ?
  「だめです」
  ううむ、困ったな。そのうち“是嗎”も“支那”と似てるからだめと言われるかもしれない。

*1:「そうですか」というあいづちにあたる言葉だが、言い方によっては「本当にそうなの?」という懐疑的なニュアンスが加わる。

*2:くせになるとなかなか直せない。かつての私がそうだった。これをひそかに「ネガシマ病」と呼んでいる(^^)。