私は「けむくじゃら系」にめっぽう弱い。
道ばたに猫や犬がいたりすると、すぐに引き寄せられてしまう。しかも、学生の頃友人に指摘されて初めて自覚したのだが、その際に奇声を発しているらしい。それは「の〜!」とか「にょ〜!」(猫の場合)、あるいは「わほ〜!」とか「わっほほ」(犬の場合)であるそうだ。
その後、中年へさしかかるに及んで奇声の対象が広がり、玩具店に並ぶぬいぐるみから人間の赤ちゃんにまで発するようになってしまった。あぶない中年である。
この本は、動物写真家の岩合光昭氏が「ネコ写真」のHow toを語り尽くしたもの。ネコへの近づき方から撮影のテクニックまで様々な情報が盛り込まれているが、基本的には気軽なフォトエッセイ集という感じ。さらっと読める上に、「三毛ネコの雄は数万匹に一匹」とか「イタリアでは野良ネコを『自由ネコ』とよぶ」とか、世界各地のネコにまつわる「トリビア」的話題もたくさん。
それよりなにより、口絵をはじめとする豊富なネコ写真に心が和む。読みながら奇声を発しっぱなしだ。最後にネコがらみで「あの動物」*1が登場するのも心憎い。
*1:中国語を学んだことがある方はピンとくるかもしれない。