インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

はいよろこんで。

  来週の通訳案件、資料パワポがメールでどぉんと届いた。でもって料金払うから全部日訳してくれって。はひー。でもまあ通訳の予習を兼ねることができるから喜んで引き受けます、はい。午前中に字幕案件を納品しておいてよかった。

  と思ったら、追加。納品した字幕の中に、とある日中韓合作映画を紹介するパートがあるのだが、その映画のジャパンプレミアを撮影したラッシュ(編集前の取りっぱなし映像)を別送してあるから、それを参考に中国人だけでなく韓国人俳優の部分にも字幕をつけてくれって。
  私、韓国語できないんですけど……って、ああそうか、ラッシュには韓国語通訳者が訳出する日本語が出てくるから、それを参考に字幕をつけてくれということか。たいした量でもないし、これだけで韓国語の翻訳者をさがすのは面倒だものね。でもどこが言葉や文章の切れ目かも分からずにスポッティングができるだろうかと不安になるが、やってみると意外にできることが分かった。
  まず訳出される日本語をディクテーション。次に韓国人俳優の原発言をスポッティング。この時、韓国語に時折混ざる外来語や漢字語、それに顔の表情や身ぶり手ぶりなどで何となく「今この部分を話しているんだろうな」というのが分かる。韓国語通訳者の訳出がとても忠実なのだろう、日本語と同じようなタイミングで外来語や「ましっそよ」とか「ちんぐ」みたいな私でも知っている言葉が出てくる。韓国語と日本語の語順が割合似ていることも、そういう類推を可能にするのかもしれない。
  最後にスポッティングリストから割り出した字数を参考に、ディクテーションした日本語を「えいやっ」と圧縮して字幕にしておしまい。