インタプリタかなくぎ流

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大地の咆哮

大地の咆哮 元上海総領事が見た中国
  上海総領事をつとめた杉本信行氏が、余命幾ばくもないことを知ってから書き下ろしたという本。中国との関わりから、日本と中国の双方に対する提言まで、面白くて、といっては語弊があるが、一気呵成に読んでしまった。
  なかでも対中ODAに関する内容と、現代中国が抱える深い深い闇の部分については、杉本氏自身の長年の体験をふまえ、しかも氏が現在置かれている切迫した状況もあって、かなり率直な物言いになっている。
  一緒に『アブナイ!中国*1も購入した。このマンガでは主に役人のすさまじい腐敗ぶりや経済発展の裏に潜む闇、さらには軍部の危険性について描かれているのだが、同じ問題意識を持つなら、その何十倍もの情報量があるこの杉本氏の本をオススメしたい。より理性的でバランスが取れていて、かつ批判の舌鋒は『アブナイ!』よりはるかに鋭い。

*1:マンガ嫌韓流』の中国版といった感じ。