インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

日本人はなぜ英語ができないか

日本人はなぜ英語ができないか
  著者の立場は、日本人としてもっと毅然とした態度で、しかも戦略的な展望を持って英語やその他の言語に向き合うべき、といったもの。民主主義的で平等な英語教育にやんわりと疑問を呈し、エリート教育の必要性を説くあたりは『国家の品格』の藤原正彦氏に近い主張だなと思っていたら、「あとがき」で氏の名前が登場して、さもありなんと思う。
  挑発的な題名から、逆に「こうすれば英語ができる」という学習者向けのアドバイスを期待するかもしれないが、むしろ教育者に向けて書かれた本。全編がほぼ英語について書かれているが、中国語の学習についても多くの示唆を与えてくれる。章ごとに親切で実用的な注がついている。