インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

麦の穂をゆらす風

  1920年のアイルランド。英国の支配に抵抗する独立戦争と、その後の内戦を描く。
http://www.muginoho.jp/
【ネタバレがあります】

  アイルランドの悲惨な歴史はこれまでにも何度か本で読んだことがあったけれど、今から百年も遡らない昔に、こんな野蛮で残忍なことが行われたのかとあらためて考えさせられる映画。
  どこか牧歌的でのびのびした感じのアイルランド民謡も、現代では「トラッド」でおしゃれと表現してしまいそうな男たちの服装も、悲惨な歴史に重ね合わされると、ずいぶん違った印象にうつる。
  ただ、主人公を取り巻く、ごく少数の人々にのみに焦点が当たっている映画なので、アイルランドの抵抗運動がごくごく小さな範囲でのみ語られ、そのぶんリアリティは薄れてしまったような気がする。別に悲惨さや残忍さにリアリティを求めたくもないが、仲間内で処刑が行われるという異様な状態ひとつとっても、私の感覚からするとずいぶん淡々とした印象。みんないやに従容として死に赴くのだ。キリスト教を深く信仰している人々だから、死生観も異なるのだろうか。
  アイルランドの近代史を復習してから行こうと、公式サイトの「『麦の穂』を観る前に」を読んだのだが、ずいぶんな翻訳調でギブアップ。これは読みにくい〜。★★★☆☆。