インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

技術含量

  先回の出張中、アテンドしていた中国人が繰り返し使っては爆笑していた。昨年あたりから流行っている言葉のようだ。もともとは映画《天下無賊》に出てきた“最看不起你們這些打劫的,一點技術含量都沒有”というセリフがそのルーツらしい。“沒有技術含量”とか、“技術含量很高”のように使う。
  “技術含量”が足りないというのは、基本的には相手をなじったり非難したりする物言いだ。けれど多分におちゃらけた、からかうようなニュアンスが含まれていて、そこはかとない笑いが漂う。“技術”の程度を表すなら通常“水平(レベル)”を使うところを、“含量(含有量)”と言い換えたところがポイント。
  “技術含量”には「知恵の多寡」というパラメータが見え隠れする(ような気がする)。“含量”が少ないのは「脳みそ詰まってんの?」という感じだし、逆に多ければ「おつむの出来が違うだろ?」といった感じだ。日本語にすると大して面白くないが、「大男総身に知恵が回りかね」みたいな少々トゲのある諧謔味じゃないだろうか。インテリ受けしそうな言葉。