インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

クラウド・ゲイト舞踊団

  台湾の林懐民率いるダンス・カンパニー、クラウド・ゲイト舞踊団(雲門舞集)の公演。「行草三部作」のうち「行草・貳」と「狂草」が日本初演というので見に行ってきた。

  中国拳法でよく見かける、足を高く上げて手のひらにパンと当てる動き(あれは何というのだっけ)や、太極拳みたいな円運動の動きがあったり、インドやバリ島の踊りみたいな植物的(?)な動きがあったりと、なるほどアジアのコンテンポラリー・ダンス。美しい。鍛え抜かれた、しかしそこはそれ、西洋人みたいに筋骨隆々ではない締まった身体の男女二十名ほどが、シンプルの極みみたいな舞台装置と音楽の中、踊る。
  「行草・貳」は客席が八割がた埋まっていたと思うが、あれはスポンサーの動員がかなり入っていたと見た。スーツ姿の若いサラリーマンが団体でいたもの。「狂草」のほうは動員がなかったようで、五割くらいの入り。台湾が世界に誇る一流のダンス・カンパニーだから、入場料もかなりお高いしね。
  「行草・貳」はときどきおおっと引き込まれるシーンがいくつかあって楽しめたが、「狂草」はうーん、正直少々退屈だった。「狂草」のほうがダイナミックで激しい動きをするのだが、激しくなればなるほど中国拳法と境がなくなっちゃうのだ。ダンスと拳法は違うとおしかりを受けるかも知れないが、私のような素人にはそう見えちゃう。なら武術の演舞を見た方が楽しいじゃないかと思っちゃう。私の目の前に座った女性が、開始早々頭をぶんぶん振りながら爆睡していたのには参った。ごめんなさい、豚(私)に真珠・猫(その女性)に小判で。
  カーテンコールで「ブラボー!」などという人がいて、びっくりする。二十一世紀になってもいるんだなあ*1

*1:台湾のダンス・カンパニーなんだし、せめて“好!”とかさあ。