インタプリタかなくぎ流

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「権力社会」中国と「文化社会」日本

「権力社会」中国と「文化社会」日本
  国交回復以来最悪、とよく言われる日中関係。でも「日中関係」と何もかもひっくるめて言ってしまうのはずいぶん乱暴な気もする。“政冷経熱”の言葉通り、政治ではメンツの張り合いで二進も三進も行かなくなっているけれど、経済などではすでに切っても切れない関係になっているわけだから。

  この本では、日中間に存在する「見えざる壁」が両国の相互不理解を生んでいる原因だとする。そして、その原因を日本の「文化社会」と中国の「権力社会」の社会特質の違いに求め、外交・歴史問題・愛国観・ODAなど様々な角度から検証している。
  中国人は本質的に「弱いものびいき」なので、中国が現在以上に強大になって中国人がもっと自信を持てば、たとえば歴史問題や国連常任理事国入りなどに対して中国が今のような強硬姿勢をとることはなくなるかもしれない……著者はこう言うのだが、ううむ、どうだろう。
  この本で縷々述べられていることを順に追っていけば、「なるほどそういうこともあるかもしれないな」とは思うが、そのあとたとえばCCTVあたりで中国外交部発言人(スポークスマン)の記者会見などを見ると、そんな気持ちは雲散霧消する(^^;)。
  何度も書いて申し訳ないけれど、あのビジュアル的にも声の質的にもシャープすぎるスポークスマンたちは、どこかで中国の国益を損なっているのではないか。もう少しソフトなイメージの人を起用すればいいのにね。