インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

授業の難易度

  非常勤で仕事に行っている学校が、生徒さんにアンケート調査を行った。無記名で授業への要望や不満などを書いてもらうというものだ。日本の学生さんは授業中概しておとなしいし、あまり授業への要望が聞こえてこないので、こうしたアンケートは貴重だ。

  アンケートを回収した事務局から結果を教えてもらった。おおむね好評で胸をなで下ろしたが、みなさんアンケートでもおとなしいというか遠慮しているというか、あまり具体的な要望は多くなかった。それでも、「進度が速すぎる! 難しすぎる!」という方もいれば「進度が遅すぎる! 易しすぎる!」という方もいて、あらためて「難しいなあ」と思う。
  このクラスはいわゆる「さまよえる中級」で、中国語の「キモ」ともいえるアスペクトや補語などにさしかかっている段階だ。しかも比較的廉価な「大人数クラス」なので、十数名が一緒に学んでいる。プレースメントテストでクラス分けをしてはいるものの、中級の常として生徒さんの個人差が大きい。ディクテーションなどをすると、辞書を引きながらどんどん埋めていく方がいる一方で、かなり苦労されている方もいる。
  で、毎回の“備課(教案作り)”に頭を悩ませる。一番下のレベルに合わせれば「取りこぼし」はないが大多数の方にとっては物足りない。上のレベルに合わせると脱落していく方が出るのは必至だ。もとよりご本人の学習動機も様々だから、個人差があるのは当然といえば当然なのだが。
  私自身は、少し背伸びをして難しい内容にチャレンジする方が張り合いがあると思っている。それでどちらかといえば上のレベルに合わせるようにしているし、学校の事務局からもそうするよう指示されているのだが、アンケートには「できる人ばかり楽しんでる」とか「授業について行けない」などと書かれることもたまにある。
  そういう声を聞くのはつらいし、何とか改善しようと努力する。ディクテーションの際の助け船を多く出すようにしたり、教材の難易度を上げたり下げたり、硬軟取り混ぜてみたり。でも、「難しすぎる!」という方に限ってお仕事が忙しいのか、三回に一回しか授業に出席できないような方が多いんだなあ。週に一回とか二回のクラスでそれだと、う〜ん……。