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危うし!小学校英語

危うし!小学校英語
  「小学校英語」必修化の動きをめぐる、狂騒曲的といってもいい状況を紹介し、その問題点を論じている。小学生や学齢期以前の子供に英語を教えることについて、私は単純かつ雑駁に「豊かな母語(日本語)の獲得に悪影響があるんじゃないか」と疑問を持っていた。だがこの本によれば、コトはもっと複雑かつ深刻であるらしい。読み進むうちに本が付箋でいっぱいになってしまう、とてもとても示唆に富んだ本。
  データを引用しながらキッチリと批判をしているのがいいし、なにより子供たちの芽を摘まず、それぞれの個性を伸ばしながら社会に羽ばたいて行ってほしいと願う、著者・鳥飼玖美子氏の優しいまなざしが光っている。さらに、そのための具体的な提案もなされている。