インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

すばる四月号

  今月号の特集は「日台作家キャラバン」。台北での座談会に朱天心、舞鶴、松浦理英子星野智幸の各氏、台東での座談会にシャマン・ラポガン、袪茢、リービ英雄、茅野裕城子の各氏が参加している。そのほか津島佑子、中沢けい、朱天心の寄稿という構成。
  分量的にはほんの四十ページほどの特集だが、とてもよかった。國語(北京語)と台湾語あるいはその他の土着の言葉とのせめぎ合いとか、中華文明の周縁部(というとあまりに大雑把で語弊があるけれど)に位置する台湾と日本との共通点とか、何だかいろいろなテーマが詰まっていてわくわくする。
  それと村上春樹に関して、朱天心と松浦理英子の両氏はともにかなり批判的で、これも興味深かった。ただ朱氏は村上春樹のスタイルをグローバリゼーションに追随した「おしゃれ感覚」と捉え、松浦氏はマイノリティーを単に作品の装飾としてだけ利用しているところが差別的と断じていて、私自身は少々ひっかかったのだけれど。
  『すばる』は昨年の八月号でも『中国文学の現在――「春樹*1」から「反日」まで』という特集を組んだりしていて、ちょっと気になる雑誌。
http://subaru.shueisha.co.jp/

*1:こちらは村上氏じゃなくて、春樹(チュンシュー)という大陸の作家。