インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

中国人の99.99%は日本が嫌い

中国人の99.99%は日本が嫌い

中国人の99.99%は日本が嫌い


  著者の若宮清という人は、台湾や大陸と長年つきあってきたジャーナリストなんだそうだ。その豊富な体験から「中国人の本質」を日本は理解していない! 日本人の「中国人観」は甘い、まったくもって甘すぎるっっ!! と息巻いておられる。
  まあ私もこれまでほんとにもう数え切れないくらい騙されてきたし、若宮氏のおっしゃることに首肯する部分も多かったのだが、どこかこの本には「トンデモ本」的な雰囲気が漂う。なぜだろう。
  ひとつは第二章でご自分の「武勇伝」を延々と披露していることだ。確かにすごいなあとは思うけれど、こういうのははっきり言って「引く」。それともうひとつ重箱の隅つつき的だが、北京語の発音を記したルビが独特*1で、これも怪しさの針をプラスに振れさせる。
  それから読んでいて、小林よしのりの『台湾論』にオーバーラップする記述がけっこうある。『台湾論』の参考文献欄に若宮氏の著作は挙がっていなかったが、まさか『台湾論』を下敷きに書いたんじゃあるまいな……と思っていたら、小林氏が台湾取材をする際のお膳立てをしたのが若宮氏、という話がネット上にあった。本当のところはよく分からないけれど。
  この本の最後にはこう書かれている。

私は日本と中国が互いの本音をぶつけ合って、一日も早く真の友好を成立させる日が来ることを願ってやまない。なぜならどんなに嫌い合っても、お互いに引っ越しすることなどできない相談なのだから。

  そりゃまあそうだ。是是非非の態度でね。もっともこの本は「是非非非」という感じだが。

*1:例えば“溫家寶”を「オンジャバア」、“一塌糊塗”を「イディフド」といったような。まあ、片仮名表記自体に無理があるんだけどね。