インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

輝ける青春

  六時間六分もある大長編イタリア映画。夜七時からのレイトショーに二日間通って観てきた。場内はがらがらだったけど、素晴らしい作品。
http://www.kagayakeru.net/
【ネタバレがあります】

  ローマに住む中流家庭・カラーティ家の長男ニコラと次男マッテオを中心に、一九六〇年代から現代までのイタリア現代史を振り返る形で展開する大河ドラマ。日本人の私でもじゅうぶん物語に入り込めたから、同時代を生きてきたイタリア人にしてみればもっと感慨深いドラマだろう。
  カラーティ家と、それを取り巻くたくさんの人々が織りなす複雑なストーリーだが、脚本がとてもよくできていてついつい引き込まれる。六時間という時間の長さをあまり感じさせない。無茶がお決まりの青春・仕事への責任感・長い時間をかけて培われる友情・結婚や出産で始まる新しい人生・親しい人の死・そして意外な出会い……誰もが自分の人生に重ね合わせつつ様々な思いを巡らすに違いない。
  俳優の演技も子役にいたるまで破綻がなく、全編リアリズムに貫かれた作品だが、六時間でたったワンシーンだけ、映画ならではの非現実的な映像処理をしているところがある。これがまた心憎いというか、すごい効果をあげている。いや、参りました。
  ローマ・フィレンツェ・ミラノ・トリノパレルモ・ストロンボリといった、それぞれに特徴のあるイタリア各地の風景がまた魅力的。ああ、いつかレンタカーでイタリア全土を巡ってみたい。車種はもちろんフィアットの500(この映画にも出てくる)。乗り心地は悪そうだけど。★★★★★。