インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

モンダヴィーノ

  先日観た、ワインをめぐるドキュメンタリー映画。
【ネタバレがあります】

  日本のみならず、いまや世界中でワインブームらしい。この映画はその立役者とも言えるロバート・パーカー氏(ワイン評論家)とミッシェル・ロラン氏(醸造コンサルタント)をどちらかというと「悪玉」的立場に置き、逆にワインの「ブランド化」「グローバリゼーション化」に批判的な生産者たちを「善玉」的立場に置いている。その他にもイタリアやアメリカやアルゼンチンなど、いろいろな地域のワインに関わる人たちが登場する。ブームの裏で、なるほどやはり当然のようにこういう生臭い話が展開されているのだなあと興味深かった。
  とはいえドキュメンタリー映画としての新味はあまりない。個人的には、私みたいな生かじりのにわかワインファンがスノビズムに走れば走るほど、おいしいワインの値段がつり上がっていくのだなあと少々自省の念にかられたくらい*1。上映時間が結構長くて、途中でうとうとしてしまった。
  ひとつ驚いたのは、あれだけワインの味に蘊蓄を傾けるミッシェル・ロラン氏や、頑固に「地味(ちみ・テロワール)」にこだわるド・モンティーユ一族の跡継ぎ娘などが、いずれもタバコをすぱすぱと吸っていたこと。なんだそれ。
  非常に独善的な言い方で申し訳ないが、私はタバコを吸う人ののたまう「味や香りうんぬん」はまず信用しない。こういうシーンをも恣意的に映しだすところに、ジョナサン・ノシター監督の意地悪さ、もとい、批判精神が表れているのかもしれない。★★☆☆☆。

*1:以前飲んで、この上なくおいしいと思った「オーパス・ワン」あたりも、この映画ではスノビズムの象徴のように(オブラートにくるんではいるが)描かれている。