インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

芸能通訳

  台湾の某若手俳優東京国際映画祭のために来日したのに伴い、各メディアの取材、逐次通訳。事前に提供してもらったテレビドラマで見る限りは典型的なアイドルという感じだったが、ご本人はいたってマジメかつ愛嬌のある好青年で、長時間にわたる取材を黙々とこなしていた。
  最初にテレビ局の番宣のために録画しながらのインタビューというのがあって、私も胸にピンマイクをつけて通訳する。なんとインタビュアーも兼ねてやってくれというご依頼。つまり渡された質問事項のレジュメをもとに、私が日本語で質問し、それを自分で北京語に訳し、相手の答えをまた日本語に訳すという、なんだか気恥ずかしいことこの上ないシチュエーションだ。まあ私は映像に入っていないし、放映される際には字幕処理がされて私の声も出ないはずなのでほっと一安心だが。
  そのあとはたくさんの雑誌社がインタビューと撮影を交互に行う形式で、延々取材が進む。スタイリストやメイクアップアーティストが常にそばに寄り添って、随時メイクを直したり、脂取り紙で汗を押さえたり、ヘアスタイルの微調整をしたり、洋服の形を整えたり。フォトグラファーはてきぱきと照明やレフ板などの機材を組み立てたり撤収したり。それぞれのプロが有機的(?)に動いていて、はたから見ていてもなかなか気持ちがよい。
  アイドルご本人もかなり疲れていたようだが、撮影に入ると次々にポーズをつくり、笑顔がこぼれる。偉いなあ。