インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

ひとり反省会

  報酬をいただいている手前こんなことを言ってはいけないのだが、今回の仕事ではとても多くのことを勉強させてもらった。
  他の言語の通訳者、とくに英語の同時通訳を担当されていた方々のパフォーマンスには心底感服。みなさん、帰りの飛行機を待つ間にも、次の仕事のオファーやスケジュールの調整などで忙しく電話のやりとりをされていて、第一線の通訳者というのはこういうものなのだなと思った。それに話し方がとても上品。ユーモアのセンスが抜群。声がきれい。すばらしいなあ。
  学校や自宅で練習している時は、いったいどこにポイントを置いて訓練すればいいのか見当がつかず、やみくもにあれこれ試してみては長続きしない、ということが多い。が、仕事をすると自分にいま何が足りなくて、どこを強化したらいいのかが具体的に見えてくる。
  今回反省したのは、1.準備段階の非効率性。資料が直前まであまり出なかったこともあるけれど、かなり的はずれな準備に時間をかけすぎた部分が多かった。2.サイトラ力不足。特に動詞を核にして文章を組み立て、完結させる力が弱いと思った。語彙力不足はいわずもがな。3.北京語の流暢さそのものの課題。これは総合的な語学力不足ということだ……かなり恥ずかしい。
  逆に自分でも意外だったのは、居並ぶVIPの前でもあまり緊張しなかったこと。ふだんから権威的なものに対してはすに構えた態度をとりがちな体質だから?