インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

最終日

  三日目の最終日。各国のお偉方が集まるサミットみたいな会議があって、パナガイドでウィスパリングしたり仮設のブースで同通したり。ウィスパリングはもうひとりの北京語通訳者と分担できたし、同通は原稿が出ていたのでほとんどボイスオーバーだったし、そんなに大変ではなかった。
  それに各自が発表するだけで討論にはほとんど入らなかったので、なんとなく「シャンシャン」で終わってしまった感じ。つまり通訳者の訳出がまずくても、何となく流されてしまうような雰囲気があった。これが技術会議などだと、みなさんからクレームがつくだろうなあ。
  いろいろな少数言語の発言を日本語に同通する通訳者の中には、かなりわかりにくい日本語の方もいて、リレーで北京語にする私もさんざんな結果になってしまった。まあ人のことは言えない。他山の石としよう。
  そのあと閉会行事があって、ブースで同通が少しと、あとブースからパナガイドで会場に向けてウィスパリング。というわけで、同通のためのヘッドホンをつけた上で、胸にパナガイドのマイクをつけ、英語から日本語に訳されたものをリレーするために別のパナガイド受信機のイヤホンをもつけるという、身体から何本もコードが伸びている状態に。
  閉会行事が終わったあと、記者会見で逐次。はああ、終わりました。
  今回はほとんどはじめての東北地方だった。錦秋というにはまだちょっと早かったけれど、とても美しい風景に心洗われる気がした。それに地元スタッフの東北方言がなんともまあ耳に心地よい。大陸からのゲストにも方言の方がいて、なんだか「ほんわり」した気分になる。もちろん、それを通訳しろということになったらとたんに心地よくなくなるのだが。