インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

コーラス

  家の近くに小さな映画館があって、いつも二番館・三番館的なラインナップで佳作を上映している。今日そこに初めて行ってみた。こぢんまりとしたなかなかきれいな映画館。客の入りは六割くらいだったけど、こうした映画館にしてはけっこう繁盛しているほうじゃないか。
  この映画は何の予備知識もなく見たのだが、とてもよかった。全体としてはできすぎの感もあるストーリー展開だが、何とも爽やかで切なくて……って、この私がそう書くとちょっと不気味だな(自虐的)。
  【以下、ネタバレがあります】落ちこぼれや問題児ばかりが集まる寄宿学校に舎監兼教師として赴任してきた主人公の先生が、コーラスを通して子供たちの心をつかみ、立ち直らせていくというストーリー。だが、少しも暑苦しくないのがいい。
  この先生、子供たちの矯正に身体をはって……などという熱血漢ではなく、自分は夢を捨てた人間だと卑下してみたり、ロマンスにときめいて背伸びしてみたり、とても人間くさくていいんだよねえ。生徒たちのコーラスは、んな、急にそこまでうまくなるか〜と思ってしまう吹き替えだが、あれは映画オリジナルの曲なのかな、とても美しかった。
  あと、個人的にはペピノという小さな男の子(六〜七歳だろう)がかわいいと思った。のちに音楽家として大成した元生徒がこの映画のストーリーテラー的な役割を果たしているのだが、その俳優の息子を抜擢したらしい。←間違ってた。この映画の監督をつとめたクリストフ・バラティエという人の息子だそうだ。
  ラスト近くで、この男の子が右手に小さな荷物の袋、左手にくまちゃんのぬいぐるみを持って駆けてきたシーンなど、わたしゃ思わず「きゅ〜! がばい〜ん!!」と叫んでしまうところだった。やっぱり不気味か。★★★★☆。