インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

放鬆,放鬆!

ミクシィのコミュニティで教えていただいたのだが、「日本人の中国語作文コンクール」というのがスタートするそうだ。
http://www.melma.com/mag/85/m00026085/index_bn.html
とてもおもしろい企画だと思うのだが、ちょっと残念なのはテーマが決められていること。

一、「中国語と私」
中国語学習について、「きっかけ」、「今の気持ち」、「困ること」、「中国語の難しさ」、「中国人教師や中国人との出会い」、「将来の夢」、など。
二、「日中相互理解を深めるにはどうしたらいいか」
日中相互理解を深めるためのいろいろな「提案」。中国政府や中国人、中国企業などについて、「言いたいこと」、「好き・嫌いなところ」。日本と日本人の立場や生活などについて「知ってもらいたいこと」、など。

どうしてこういう方向だけに絞るのかな。こう言ってはたいへん失礼だが、まるでお役人の書く企画書みたい。
かつて「中国語弁論大会」というのに出たことがある。五分ほど「中国語」でスピーチをして、簡単な質疑応答をするというコンテストなのだが、出場者の多くが「中国語と私」とか「戦争責任について」とか「日中友好」とか、とても生真面目な、かたいテーマばかり選んでスピーチしていた。
「戦争責任」についてスピーチしたひとなど、大陸で厳しい言葉を投げかけられたことを回想しつつ泣き出してしまったりして、会場全体がものすごく重苦しい雰囲気につつまれたり。コンテストのあとで審査員から、「みなさんもう少しテーマを柔軟に選んでもよいのでは」といった主旨の講評が述べられたくらいだ。
まあこれは自分自身に対する反省*1でもあるのだが、もっといろんな話題があってもいいんじゃないかと。
こうしたコンテストはたぶん初学者を主な対象にしたものだろうから*2、割合「優等生的」なテーマに絞っておくという方向もわからないではない。あまり自由に広げすぎると箸にも棒にもかからない散漫なものばかり出てくる可能性もあるわけで。
それにしてもこのいい知れない重苦しさはなんだろう。
私事だが、私は顔がとてもいかつくて、学ランなどの「制服系」がよく似合い、スピーチをすると「弁論部みたい!」というヘンな感動のされ方をする人間なので、ここ数年自分からできるだけ重苦しさを取り除く努力をしている。「努力」しちゃったりなんかするところが、傍目にはまた重苦しかったりするのかもしれないが(笑)。

*1:私のスピーチは題名こそおちゃらけていたものの、内容は「中国語と私」そのもの。また留学していた時に書いていた作文も、今から思えばずいぶんかたいテーマが多かった。

*2:「中国語弁論大会」の場合、「中国語」環境に一年以上住んだことがない(たしか、そんなの)といったような制限があったはず。