インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

美術館のはしご

セントラルパークのリス。なかなか止まってくれない。セントラルパークを抜けてグッゲンハイム美術館へ。セントラルパークではクリストの新作“The Gate”の準備が最終段階に入っていて、公園中オレンジ色の大きなゲートが立ち並んでいた。ハッキリ言ってあまりよくわからない作品。それにかなり以前に同じことを同じセントラルパークでやっていなかったか。「梱包」の頃と比べ、ずいぶん衝撃度がなくなり、悪い意味での「伝統芸能」化、「様式美」になっているのではないかと思う。まわりが持ち上げすぎるのかもしれない。
グッゲンハイム美術館ではちょうど南米美術の特別展をやっていて、本来の収蔵作品はあまり多くなかった。それでもカンディンスキーなど楽しむ。ここは建物自体がひとつの見もの。よくこんなデザインを考案し、それが運良く実現できたものだと思う。奇跡のような建物だ。
次に数ブロック歩いてメトロポリタン美術館。ここはすごい。とにかく巨大すぎてとてもじゃないけどまわりきれない。アジア美術とヨーロッパ絵画、近代美術など見たいところだけに絞る。それでもかなり時間がかかった。こんな大急ぎの旅じゃなくて、もういちどゆっくり見に来たい。
そのあとなんだか勢いが止まらなくなって、かなり疲れていたのにホイットニー美術館まで行く。そういう投げやりな気持ちで行くときは決まって感動できないもので、お目当てのいくつかの作品は公開されていなかったし、サイ・トゥオンブリーの大がかりな企画展をやっていて、興ざめ。この人、私が学生の頃からそのドローイングで高い評価を受けている作家なのだが、私にはどこがいいんだか昔も今もさっぱりわからない。