個人の邸宅にしては豪華すぎるくらいの建物を利用したこの美術館、調度品や家具などと一体化する形で邸宅内に美術品が陳列されている。美術館というより建物全体を鑑賞するといったおもむきで、だからライティングなどは必ずしも理想的でなく、かなり見づらい作品もある。
もともとフェルメールやレンブラントなどのオランダ絵画やルネサンス期のイタリア絵画コレクションで有名な美術館だが、十数年前そのうちの貴重な何点かが盗難にあっている。フェルメールの『合奏』などがあった場所には空の額縁だけがかけられていた*1。そのためか、入口でのチェックが厳しく、コートもカバンもみなクロークに預けるよう言われる。館内もあちこちに職員が立ち、時に付き添ってくるなど、かなり警備に気をつかっているようす。
*1:『盗まれたフェルメール』(朽木ゆり子/新潮社/ISBN:4106005859)という本に詳しい。