インタプリタかなくぎ流

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獵殺U429海底大戰

獵殺U429海底大戰原題は“In Enemy Hands”。映画館に行くも「これは観たい!」という作品がなく、全く予備知識なしで観た。《獵殺U429海底大戰》という題名からして、サバゲ好きなマニアが喜びそうだなあ、チープな戦争映画かしらんと思いきや、意外におもしろかった。
第二次世界大戦末期、アメリカの潜水艦“箭魚(ソードフィッシュ)號”は大西洋上(潜水艦だから大西洋「中」かな)でドイツのUボートと戦闘になり、魚雷を受けて艦を捨てざるを得なくなる。ドイツ側の捕虜となったアメリカ兵たち。だが“箭魚號”の艦長が実は伝染病にかかっており、それがUボート内でも次第に感染者を増やしていく。
このままでは全員自滅だと悟ったUボートの艦長は、双方が協力してアメリカに向かい、治療するしかないと決断。しかしそれではせっかくアメリカ側を捕虜にとっておきながら、逆に自分たちがアメリカの捕虜になってしまうと反発するドイツ側の乗組員。そんなこんなでさまざまな葛藤がありながらも、しだいに敵味方を越えて協力し、連帯感まで生まれてくる米独双方……というストーリー。
「もうすぐ戦争は終わる」と予測し、だからこそ激情に駆られて命を無駄にしたりはすまい、と冷静に行動しようとする主人公がいい。潜水艦内部の描写も、大昔に観た『Uボート』のような緊迫感やスピードはないものの、狭い艦内の雰囲気が充分に伝わってくる。単に戦闘ばかりでなく、“箭魚號”の副艦長のような立場にある主人公が妻と交わした「きっと生きて帰ってくる」という誓いや、ラストに出てくる捕虜収容所のシーンなど、まとめ方もうまい。★★★☆☆。

どうでもいいけど、《獵殺U429海底大戰》という題名をつけた人は、この映画を観てないのだろうな、きっと。日本公開時には『Uボート 最後の決断』となる予定らしい。こっちのほうがまだ映画の内容に近い。
http://www.e-power.com.tw/movie_U429/index.html