インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

台湾側のトップと会談するため、木曜日は台北へ。
午後二時までに日本側の台湾支社に出向けばよいとのことだったので、少し早めに台北に行き、敦化南路の誠品書店に行く。前からほしいと思っていた何冊かの本をここで見つけて買い込む。高雄にも大きな書店はあるのだが、やはり台北の方が品揃えが細かく、幅広い。
そのあと日本側の代表と一緒に台湾側の本社ビルへ。今回の会談は、ある合意書に調印するのが目的だったのだが、結局決着がつかず、「いったん双方持ち帰って内部で検討し、明日もう一度話し合うことにしましょう」ということになった。
明日もう一度といっても、もともと日帰りの予定で台北に来ていたので、着替えも何も持ってきていない。とりあえずホテルを押さえて、ホテル近くの新光三越に行き、シャツやら下着やらを買い込む。宿泊費は日本企業が出してくれるが、着替えなどのこういう出費って、当たり前かもしれないけれど全部自前なのだ。最初から予定されていれば持参したのに、もったいないなあ。
二日目、まず日本企業の顧問弁護士事務所に行く。午後からの協議について弁護士と打ち合わせ。私はただ聞いているだけだが、よいブリーフィングになる。そのあと弁当を食べて再び台湾側の本社ビルへ。どうでもいいことだが、この弁当は非常においしかった。弁護士事務所があるビルの隣のホテルから取ってもらったそうだが、こんなに上品な味つけのおいしい中華弁当、食べたことがない。いやいや、どうでもよくはないな。弁当の善し悪しはそのあとの通訳の「志気」に影響するから(おぃ)、やはり重要だ。
二日目の協議、日本側は会議室にパソコンとプリンタまで持ち込み、合意に達したらすぐに合意文書を修正してその場で署名するという意気込みで乗り込んだ。台湾側も別室で文書を修正しながら話し合いに臨むという非常にフレキシブルな対応。長い間すったもんだを繰り返してきたこの問題がとうとう決着を見るかな、と期待が高まる。
たった数枚の英文の合意文書を六時間もかけて一字一句確認する。日本側は携帯電話で顧問弁護士と連絡を取りつつ、協議。時に台湾側の主張に日本側が激怒して席を立ちかけ、あわや決裂というシーンもあったが、最終的に本文の内容は双方が歩み寄って合意に達した。
が、本文につけるアタッチメント(添付書類)の、たった一つの単語について双方が折り合わず、結局調印にまでは到らなかった。
私には、別にどっちでも同じじゃないかと思える語句の違いなのだが、日台双方、これが後々賠償だ訴訟だ和解だという展開になった際には何億円という違いで跳ね返ってくることがわかっているので、譲れないんだそうだ。やれやれ。