インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

台湾側のある重要人物と高雄市内の某所で会談、逐次通訳。この人物はかなりの大物で、行政院の高官や、はては陳水扁大統領(総統)とも直接電話で話せる立場にいるんだそうだ。日本統治時代の教育を受けた人で、日本語が多少話せる。
日本側の代表者もそれなりのトップクラスが出向いていった。この「おえらいさん」は日本側の主張を数枚のメモにまとめていたので、それをホテルのビジネスセンターでコピーさせてもらう。一読、非常に論理的でよくまとまっていて、わかりやすい。「これはいける!」と思っていたのだが、何とこの方、肝心の会談ではメモを目で追いすぎるあまり、話がかえってわかりにくくなっていた。
これはよくある失敗だ。文章を追うことに夢中になって、主語が抜けたり、他の主語と入れ替わったり、棒読みの朗読調になってしまったりする。しまいには自分でも何を言っているのかわからなくなったりするのだ。
またそういう自分に気づき、これじゃイカンと焦って、今度は突然ぽーんとメモから遠く離れた内容に話題が飛んだりもする。せっかく頭の中ではキチンとまとまっているのだから、メモから思い切って目を離してしゃべれば何の問題もないのに……。
私もかなり汗をかいた。主語を補ったり、完全に間違っている主語は直したり……結局、訳出のできばえはあまりよくなかったと思う。
会談前にホテルで打ち合わせをして、お昼もホテルのレストランで食べた。香港風の飲茶だったが、久しぶりだったのでことのほか美味しく感じる。ワゴンがいいタイミングでまわってくる。蒸籠の中の点心はどれも作り置きではない手作りか*1、手作りに近いもの。“空心菜”や“地瓜葉(サツマイモの葉)”などの青菜をその場でゆでて中華風おひたしにしてくれるのもいい。ただしお茶にはぜんぜんこだわってないようだ。
スタッフの対応はいまひとつだったが、値段は特に高級というわけではないようなので*2、まあ仕方ないかな。場所は愛河沿いの国賓大飯店(アンバサダー・ホテル)の二階、“粵菜聽”。

*1:店によっては、明らかに大量に作って冷凍しておいたものを蒸し直しました、みたいなのばかりという場合がある。

*2:ごちそうになったので正確にはわかりません。