インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

友がみな我よりえらく見える日は

(上原隆/幻冬舎アウトロー文庫/ISBN:4877288139)を読む。四十代後半で事故により失明した筆者の友人、かつて芥川賞を受賞しながら今はホームレス同然の生活をする作家、ビデオ化の波でほとんど仕事のなくなったネガフィルム編集職人、会社から露骨な「肩たたき」にあってしまった元同僚同士のグループ……。このノンフィクションに登場する主人公たちはみんなギリギリのところに追いつめられて生きている。いまふうの言葉で言えば「負け組」などと冷たく分類されてしまうのだろう。
引き込まれるように一気に読んだが、正直に言って読後感は非常に悪く、もっとはっきり言うと気持ち悪い。失礼を承知で言わせてもらえば、この本に出てくる人たちはみなどこかにじっとり湿った不健康さを伴っている。でもその気持ち悪さはたぶん、かつての自分を見ているような気になるからだと思う。もしくは、これから自分がそうならないとも限らないという漠然とした不安からかもしれない。