インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

2046

何年も前から話題だけが先行し、いっこうに完成・上映される気配のなかった王家衛監督の『2046』がようやくお目見え。ワーナーのシネコンはスタッフ全員が2046Tシャツを着込んで盛り上げている。が、夜遅い回だったからかもしれないが、場内はがらがらだった。
梁朝偉・章子怡・鞏俐・王菲・木村拓哉・劉嘉玲・張震張曼玉・董潔……というスターの競演。鞏俐はちょっと新味があったけれど、そのほかは全員いつもの彼・彼女たちそのもの。そういう意味じゃ、フィクション性は極端に薄いかもしれない。
物語は一応『2046』という物語を書く新聞記者兼作家の梁朝偉を軸に進むが、数々の女性との逢瀬や銀河鉄道999を彷彿とさせる未来の列車内の風景、1960年代の香港などが絡み、人物もあれこれオーバーラップした重層的な作り。SFふうでもありレトロでもあり、なんだか《重慶森林》と《花樣年華》を足して二乗したような感じ。言語も広東語・北京語・日本語が縦横に飛び交い、登場人物は互いに自分の言葉を話すだけで相手との会話が成立してしまう。
二時間近い上映時間、王家衛の映画世界に入り込めない人にとっては難解で退屈かもしれない。事実、途中で席を立つ人も目立った。★★★☆☆。