インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

三更2

ThreeExtremes日本・韓国・香港の監督が競作するオムニバス・ホラー。日本篇を三池崇史、韓国篇をパク・チャヌク、香港篇を陳果(フルーツ・チャン)が担当している。三者三様でそれぞれ楽しめたが、ストーリー・映像・演技どれをとっても香港篇がダントツの出来。陳果とプロデューサー・陳可辛(ピーター・チャン)の貫禄勝ち。
日本篇『盒葬』はどことなく寺山修司風で独特の味わいがあるものの、長谷川京子渡部篤郎の演技はどうにかならないか。自分が日本人だからつい評価が厳しくなるのかもしれないが、演技が白々しくて観ちゃいられない。思わせぶりなカットのつなぎ方、意味不明な「間」。別に海外の観客を意識して迎合することはないが、あまりに独りよがりでわかりにくい。台湾の観客はみんな苦笑していたよ。あんまり甘く見ない方がいいよ。
韓国篇『割愛』は実験的な野心作。ユーモアも感じさせるが、主役のイ・ビョンホンがなぜあそこまで無抵抗なのかわからん。荒唐無稽が先に立って、ぜんぜん恐くなかった。
香港篇『餃子』は食べることのエロスと生殖のエロスを結びつけて観る者を飽きさせない。楊千嬅(ミリアム・ヨン)、白靈(バイ・リン)、梁家輝(レオン・カーファイ)、それぞれのキャラクターが「立っている」。
最近韓国で残飯を使った餃子が輸出されていた事件が話題になったけど、包んである餃子や包子って、確かに何が入っているかわからない「怖さ」がある。以前大陸産の冷凍餃子をよく食べていたのだけれど、ある時プラスチックの大きなかけらが入っていたことがあって、それ以来食べるのをやめた。
人肉が使われているということでは香港映画には黄秋生(アンソニー・ウォン)が主演した『八仙飯店之人肉饅頭』という「伝統」があるわけだが、この『餃子』はそれをもっとスタイリッシュな、しかし陳果ならではの「香港くさ〜い」映像で見せてくれる。台湾では50分ほどに編集されているが、香港では90分のバージョンが上映されているそうだ。そちらをぜひ観てみたい。