インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

宦官

宦官――側近政治の構造(三田村泰助/中公文庫BIBLIO/ISBN:4122041864)を読む。大陸の歴代各王朝において、宮廷、とくに後宮を中心に「やんごとなき方々」の公私にわたる生活を支えた宦官を論じた古典的名著。前半、紫禁城の内奥における宦官の日常や職務を細かく紹介したあたりがとても興味深かった。
また男性の私としては、去勢方法とそれに伴う悶絶の痛みを微に入り細にわたって描写したくだりは非常に「イタかった」(笑……いごとじゃないね、ほんとにね)。
後半は各王朝の宦官や皇族にまつわるエピソードがえんえんと連なり、ちょっと飽きがきてしまった。終章には「現代における宦官的存在」として、権力機構にあって情報を独占する秘書グループの批判が乗せられているが、これはご本人も書かれているように、やや牽強附会の気味あり。この本が書かれたのは1965年のことだから、仕方がないとは思うけれど。