インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

明日、日台双方のトップが出席する重要な会議が開かれる。討論の前提となる台湾側のプランについては一週間以上前に細かい要領書が提示されており、すでに日本語訳を終えてある。私は「翻訳することで予習もできたし、準備はバッチリ」とほくそ笑んでいた。
ところが、今朝になって新しいバージョンが登場。一読、血の気がひく。前とぜんぜん違う。「明日までに読んどいてください」と軽くのたもう台湾側。……あ、あんたら、中文のぶ厚い資料を日本人がそのまま読めるわけないでしょ。翻訳というプロセスが頭からごっそり抜け落ちとるっちゅ〜の。もう二年近くも一緒に仕事をしてきているのに、まだわかっとらんのかぁっっ!
慌てる日本側、「す、すぐに翻訳!」の指示が飛んでもっと慌てる私。今日は定例会議や技術打ち合わせの通訳も入っているんだってば。幸い前のバージョンから所々カット&ペーストできる段落や図もあったので、実際に訳す量は半分くらいになり、なんとか間に合った。
日がな資料整理などしながら窓際族的気分を味わう日もあれば、今日みたいに息つくひまもないほど忙しい日もある。フリーランスならこうした「不均等」は当たり前で、仕事がなければ即収入もなくなる。いまはインハウス通訳者なので出勤しているだけでとりあえず給料は出るが、自由はない。どちらがいいかなあ。……どちらもいいなあ。